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麻と大麻 麻の実の栄養価 医食同源 麻の実油・こんな病気に効果
漢方薬としての麻(漢方中辞典:小学館) こんな効果がありました
麻と有機栽培    

医食同源〜麻の実は薬だった

【いしょくどうげん】病気をなおすのも食事をするのも、生命を養い健康を保つためで、その本質は同じだということ。[広辞苑第五版より]
医食同源関連資料・画像
・ 麻の実 薬膳料理のレシピ集・ 漢方薬としての麻(漢方中辞典:小学館)
・ 長寿の秘密:麻の実が動脈硬化・老化防止に効果」(フジテレビ)
古くて新しい「麻の実」を食べてみませんか
(月刊メニュー・アイディア 2002臨時増刊号より)  薬膳コーディネイター・自然食料理講師 加藤郁子

月刊メニュー・アイディア増刊号表紙
2001年は、誰にとっても21世紀という何か特別の思い入れを込めた飛躍の年…だったはずですが、想像を絶する悲惨なことが次々に起きてしまい、暗澹とした年となってしまいました。人は、誰でも与えられた生命をきれいにまっとうしたいと願っているはずです。地球上の一生物として自然と調和し、生物にとってあらかじめ定められ、体の生理に適した食物をとれば(食性を守れば)それは、きっと叶えられるとされています。私はこれまでも、人の体に合い、健康を維持し、豊かな精神活動のできる食生活の在り方をお話ししてきました。「身土不二・しんどふに」と「一物全体・いちぶつぜんたい」を基準に食物を選択すれば、未病で不老長寿がまっとうできる…と。そんな希望を満たしてくれる食材が割合身近にあることがわかりました。「麻の実」です。昔から、七味唐辛子の中にたまに見つけることができる固い粒、これが私たちが認識している「麻の実」でしょう。健康と油の問題がいろいろと話題になっている昨今ですが、こんなときに願ってもない食材がこの「麻の実」です。正に、古くて新しい麻、日本中どこでも育ち、古くは縄文時代の縄、種は食料から燃料に、繊維は衣服、茎は建材、葉や根は薬用にされてきました。全ての部分が利用でき、捨てるところがない麻です。食材としての「麻」を見直し、もっと食卓で利用したいと思い、「麻クッキング」にとりかかりました。

 

原産と栽培の歴史
漢名を麻子仁・ましにんといいクワ科の一年草、大麻の果実。雌雄異株の双子葉植物で学名をCannabis Sativa L(カンナビス・サティバ・エル)といいます。約110日間で高さ3〜4mに達し、茎の直径は2〜3cmになります。
原産地は、中央アジアで、カスピ海沿岸からシベリア南部・キルギス草原地帯、また、ペルシャから北インド・カシミール、ヒマラヤという広い地域に野生しています。繊維を採る目的で栽培された世界で最初の植物です。
現在、世界の主産地は繊維用栽培としてはロシア、中国、日本、チリ、ペルーなどが主なところ。ヨーロッパではイタリア、ユーゴスラビア、薬用としてはインドがよく知られており、ベンガル、マイソール、マドラスの諸洲に多く産出します。
日本では太古から存在した植物で、その歴史は新石器時代までさかのぼることができます。日本の縄文時代の遺跡鳥浜遺跡(約1万年前)から大麻繊維や種子が発見されています。
繊維は衣服、寝具、履物、のれんなどの日用品、あるいは建材、さらに宗教儀式においても繁雑に利用されてきましたし、種は稲、きび、おおむぎ、こむぎ、だいず、あずき、あわなどとともに八穀のひとつとして主食にされていました。油は食用や灯油として利用され、三草四木(三草‥麻、べにばな、藍、四木‥桑、漆、茶、こうぞ)の一つとして人々の生活に広く利用されてきました。

 

「大麻」ってなに?
「麻」という言葉は、日本では古くから大麻のことをさしており、広い意味では大麻によく似た繊維をとる植物とその繊維をさしています。同じ「麻」という文字を使う植物には、亜麻(アマ)、苧麻(チョマ)、黄麻(ジュート)、洋麻(ケナフ)、マニラ麻、サイザル麻などがあります。
一般に大麻はマリファナ、ガンジャなどとして知られていますが、日本では大麻取締法によりその所持、使用、販売などが禁止されており、発覚すれば厳罰に処せられることになります。大麻が麻薬として扱われることもありますが、本来麻薬とは、ケシからとれるあへん、およびそれを精製したモルヒネ、ヘロインなどをさしていう言葉で、マリファナは含まれていません。そして、マリファナというのは、正確には、大麻の葉や花の部分を指す言葉で、全体を指す言葉は「大麻」となります。大麻取締法により禁止されているのは、茎や種子以外の部分のことなのです。
大麻の栽培には肥料がほとんど不要で、熱帯から寒冷地、沼沢から乾燥地まであらゆる気候、土地条件のもとで育ちます。

 

産地はどこ?
FAO(世界食料農業機関)1998生産年鑑によりますと、大麻の生産高は全世界で6万9000トンで、同じ繊維作物の綿花は1826万4000トン、ジュート麻360万トン、サイザル麻32万5000トンよりもかなり少ないのです。生産国は旧ソ連の影響が強かった社会主義国が多く、西側諸国ではほとんど栽培されていません。(表1・2参照)

 

表1 大麻繊維の生産高
  生産国 トン
1 中国 27000
2 ルーマニア 11100
3 北朝鮮 11000
4 スペイン 6500
5 ロシア 4500
6 チリ 4000
7 トルコ 2300
8 ハンガリー 1900
9 ウクライナ 1000
10 ユーゴスラビア 280
  世界全体 69893
表2 大麻種子の生産高
  生産国 トン
1 中国 28000
2 フランス 5200
3 ハンガリー 1000
4 チリ 1000
5 トルコ 400
6 ルーマニア 260
7 ウクライナ 243
8 ロシア 220
9 ユーゴスラビア 26
10 ポーランド 15
  世界全体 36375

 

大麻の注目すべき点

(1)環境負荷が低く、栽培管理が容易な作物。
綿花(コットン)のように農薬や化学肥料を必要とせず、しかも雑草や害虫に強い。単位面積当たりの収穫量も比較的多い。

(2)利用価値が高い。
衣類、建材、紙、燃料、化粧品、食品、プラスチックなどの生活用品が製造可能(1930年代に、大麻パルプからプラスチック製品が開発された)。大麻の茎は約70%のセルロースをふくんでおり、プラスチックの原料として使うことができます。現在、土に帰る生分解性のプラスチックとしてさまざまな研究が進められています。

(3)日本の風土や文化に関係の深い植物
「麻」という言葉は縄文の昔から大麻のことを指し、地名や人名にもよく使われ、織物や紐、縄の原料として栽培されてきた歴史のある作物です。

麻の実の栄養価
紀元前3000年頃、中国を治め炎の皇帝といわれていた伝説上の人物神農氏が、野山を歩き回り百草をなめて、自ら百毒に会いながら選別した365種の薬草の中に「麻」の名があります。しかも、無害で延命・長寿に役立つという上薬(365種を上、中、下に分けて、中薬はやや副作用があるもの、下薬は急性の症状に用い、やや毒性を含むとした)に位置しています。
「麻子仁は、体や内蔵を修復し、体力の根源となる活動力を増す。久しく服用すると体が肥えて健やかとなり不老神仙となる」としています。
麻の実は消化吸収に優れた良質なたんぱく質と大量の必須脂肪酸と9種類の必須アミノ酸を含んでいます。これらの必須栄養素は、人の体内で作り出すことができないので食事から摂取する必要があります。
麻の実油には75%以上の不飽和脂肪酸であるリノール酸とα-リノレン酸が含まれています。しかもこれらの必須脂肪酸の比率が3対1という理想的な割合で含まれています。
必須脂肪酸をバランスよくとるとコレステロールがコントロールされ、血液がスムーズに流れるようになります。アレルギー性疾患、特にアトピー性皮膚炎、動脈硬化、心臓血管疾患、肺ガンや大腸ガン、神経性難病なども防いでくれます。α-リノレン酸は体の中で代謝されて、頭の働きを良くするEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)に変換されます。これらは魚油で補うのが一般的ですが、大麻油と違い調理に向かない欠点があるからです。
自然の形でたっぷり含まれているビタミンEは老人病の進行を遅らせることや、血栓の予防に有効であること、また最近の研究によるとアルツハイマー病で脳細胞が死滅していくのを抑制することも分かってきています。
また、ガンの発生を促すフリーラジカルを抑制する抗酸化物質としてのサプリメント(栄養補助食品)にもなっています。100g当たりの標準含有量は γ-トコフェロールとして1OO〜150mgあります。大匙1〜2の麻の実油をとれば、一日の目標摂取量をみたすことができるといわれています。(表3・4参照)

表3  麻の実・乾(殻付)
100gあたりの食品成分表
エネルギー:463kcal
水分:5.9g
タンパク質:29.5g
脂質:27.9g
糖質:9.2g
繊維:22.1g
灰分:5.4g
カルシウム:130mg
リン:1100mg
ナトリウム:2mg
マグネシウム:640mg
鉄:13.1mg
銅:390μg
亜鉛:6000μg
ビタミンA効力:11 IU
ビタミンAカロチン:20μg
ビタミンB1 :0.35mg
ビタミンB2:0.19mg
ナイアシン :2.3mg
表4  麻の実に含まれる
必須アミノ酸(mg/1g)
スレオニン(The) 3.7
バリン(Val) 3.0
メチオニン(Met) 2.6
イソロイシン(Ile) 1.5
ロイシン(Leu) 7.1
フェニルアラニン(Phe) 3.5
トリプトファン(Trp) 0.6
リジン(Lys) 4.3
*ヒスチジン(His) 2.5
*アルギニン(Arg) 18.8
*子供の場合

私たちの体は健康を維持するために約5万種類の異なったたんぱく質が必要で、それを作るのに22のアミノ酸を使います。このうちの9種類のアミノ酸は体内で合成できず食事の形でとる必要があります。麻の実には、この必須アミノ酸が全て含まれ、なかでもメチオニンとシスチンと呼ばれるイオウ分を多く含むことが大きな特徴となっています。この種のアミノ酸は、他の植物性たんぱく質には不足しています。人体が必要とする9つの必須アミノ酸を十分に理想的なバランスで含む食品は完全食品といえるでしょう。
麻の実中のたんぱく質に含まれるアミノ酸は良質で恐らく大豆よりも優れた栄養価をもっていると思われます。
第六の栄養素といわれる食物繊維も豊富です。麻の実は血糖降下作用、潤腸、通便作用が高い生薬として知られています。それは、全粒の麻の実には食物繊維が23%も含まれ、なかでも、不溶性の食物繊維が22%も含まれているからです。それは、麻の実の固い殻があるためです。
麻の実のミネラル(表5参照)には骨や歯の成長に欠かせないマグネシウム、リン、カルシウムが多く含まれています。その他鉄(血液中のヘモグロビンの構成成分であり、酸素の運搬に重要)や銅(ヘモグロビンの合成や骨や血管壁を強化する)も多いので、貧血の90%の原因となっている鉄欠乏症に非常に有効だとされています。さらに、味覚異常や生殖能力に関与している亜鉛も費富に含まれています。
ビタミンでは、活性酸素から身を守り、生活習慣病や老化をふせぐビタミンE、止血や骨粗鬆症の予防と治療に有効なビタミンK、赤血球や細胞の新生に不可欠な葉酸を多く含んでいます。

表6 麻の実のミネラル(mg)
  麻の実 大豆 玄米 ソバ 所要量
ナトリウム 2 1 1 1 3900
カリウム 340 1900 230 390 2000
カルシウム 130 240 9 12 600
マグネシウム 390 220 110 150 300
リン 1100 580 290 260 700
13.0 9.4 2.1 1.6 10
亜鉛 6.0 3.2 1.8 1.4 12〜10
1.30 0.98 0.27 0.38

1.8〜1.6

所要量:大人1日あたりの摂取量の目安

麻の実油と病気の改善
麻の実油は2つの主要な必須脂肪酸を理想的なバランスで含み、他にも必須脂肪酸の代謝物も二種類含有しているので病気の予防や治療に非常に役に立ちます。

◎アトピー性皮膚炎…汗腺と皮脂腺の働きが弱いために皮膚が乾燥してカサカサになり、多量の水分が失われることによってひどい痒みに悩まされます。
また、オメガ6多価不飽和脂肪酸の不足が関わっていますし、酸素の働きが弱いためにリノール酸がγ-リノレン酸に変化する速度が落ちるために、プロスタグランディンのバランスが崩れるともいわれています。
γ-リノレン酸をほどよく含む麻の実油が治療効果を高めます。
大麻油を含む軟膏やクリームを外用することで皮膚の保護作用が強化され、痒みを和らげ、アトピー患者の症状が回復するのを助けます。

◎心臓血管疾患…動脈内に形成されるプラーク(血管壁内に脂質が沈着すること)が、ほとんどの心臓血管疾患の原因とされています。このプラークが時間と共に硬化して血流を妨げた状態が、アテローム性動脈硬化症です。この状態が進行すると動脈内の血流を止めてしまい、心臓発作や心臓麻痺が起こります。LDL(悪玉)コレステロールは血管内に存在する粘着性の脂肪で、主に動脈性プラークの元になっています。喫煙やストレスなど共に飽和脂肪酸の過剰摂取は、血中LDLコレステロール値を高くする要因になっています。
毎日一定量の麻の実油5さじ分相当のリノール酸とγ-リノレン酸を服用した結果、血中のLDLとほかのコレステロール値が下がり、それに伴い血栓のリスクも低減することが報告されています。アテローム性動脈硬化症などの血栓症のリスク軽減には、これまで使ってきた油を麻の実油に変えると良いでしょう。

◎リューマチと、その他の炎症性の病気…慢性的な炎症と痛みを伴って関節の動きが非常に悪くなるのがリューマチの特徴です。悪化すると関節が変形してしまうこともあります。
γ-リノレン酸を含むある種の脂肪酸とその代謝物であるプロスタグランディンには、抗炎症作用と免疫力を高める働きがあることはよくしられているところです。一日に1.2〜1.4gのγ-リノレン酸を3カ月以上服用するとリューマチの症状が驚くほど改善され、副作用もないとの報告もあります。この他、慢性膀胱炎や潰瘍性大腸炎などの治療にも効果を発揮するということです。

◎骨粗鬆症…年齢とともに骨がもろくなるもので、背中の痛み、身長が縮む、背骨が曲がる、骨折しやすくなるなどの症状をともないます。主にカルシウム不足が原因といわれています。さらに、動脈や膀胱に石灰化も発生し、これが原因で血管の壊死などの症状が女性に起こりやすいものです。
毎日の食事からの必須脂肪酸の補給で、腸からのカルシウムの吸収が増加し、尿から排出するカルシウム量が減り、骨へのカルシウムの蓄積が増加し、骨コラーゲンの合成が増加し、骨の強度が向上することが示されています。こうした一連の作用の結果、必須脂肪酸の代謝物プロスタグランディンの循環が促進されます。

◎生理前緊張症(PMS)…生理の始まる前に抑うつ、イライラ、乳房の張り、肩こりなどの生理前緊張症を経験する女性は案外多いものです。研究によると、脂肪酸の代謝がうまく行かずリノール酸のγ-リノレン酸やプロスタグランディンヘの転換が遅くなっている傾向がみられます。150〜200mgのγ-リノレン酸(ティースプーン1杯分の麻の実油)を3ヵ月以上服用することで症状が改善されると報告されています。

◎多発性硬化症(MS)…慢性の神経性自己免疫障害で、この患者が先進国に多いことと、食生活において不飽和脂肪酸の摂取が致命的に不足していることとは偶然の一致ではなさそうです。研究によると、必須脂肪酸の代謝異常とMSの進行には関係があり、酵素の働きの狂いが原因ではないかと考えられています。必須脂肪酸かγ-リノレン酸を栄養補助として服用すると症状の改善がみられると報告されています。

◎糖尿病…血中糖度を調節するインシュリンの分泌異常が原因とされています。その結果の一つとして血中濃度が高くなると、組織内の必須脂肪酸を利用できなくなり、必須脂肪酸の欠乏を起こします。そして、抹消神経障害からくる痛みや血流障害から起こる足の感覚麻痺などの症状が引き起こされます。一日に360mgのγ-リノレン酸(麻の実油ティースプーン2〜3)がこれらの症状を緩和することが報告されています。

◎ガン…ガン細胞には、通常の健康な細胞に比べてγ-リノレン酸やオメガ6ポリ不飽和脂肪酸が少ないので、これらの脂肪酸の補給が治療になるといわれています。
このほか、多発性硬化症、緑内障、ぜんそく、てんかん、鬱病、ガン、エイズなどの難病にも適用できる医療効果のある植物として、今後は医薬品、有効な治療薬としての展開が期待されています。

麻の実の種類と利用法
麻の実には固い殻があるので食用としての用途が限られていましたが、1997年にドイツで開発された殻剥機によって食材としての利用範囲が広がり、さまざまなレシピや加工食品が生まれました。形態にはナッツ、粉、オイル、全粒と4つのタイプがあります。

(1)ナッツ(殻なし麻の実)
麻の殻を剥いたもの。外観は白ゴマ、味はクルミのよう。
利用法…ご飯にまぜて炊く、炒めもの、サラダに振りかける、スープ、シチュー。ミキサーにかけて漉してミルクを作る。漉したものはおからとしてハンバーグ、お好み焼き、春巻きの具などに用いる。

(2)粉(種子粉)
麻の実から油を絞ったあとのものを細かく挽くと種子粉ができます。
利用法…小麦粉に混ぜてクッキーやパン、焼き菓子に。ただし、グルテンを含まないことと、特有の臭いがあるので加える量は控えめが良いでしよう。

(3)オイル(麻の実油)
圧搾絞り(コールドプレス)した未精製の麻の実油は薄い緑色で、上品なナッツの香りがします。
利用法…サラダのドレッシング、マヨネーズ、マリネなど。揚げ物には向きません。水分のある野菜などを軽く炒める程度の加熱ならOKですが、高温になるてんぷらやフライには使えません。菜種油やオリーブオイルなどの代わりやこれらと混ぜて使うことは可能です。
ちなみに、冷搾法で搾ったほとんどの油は、連続搾油機を使用し、油の温度を搾出時で55℃未満に保ちながら作られます。精製をしない状態では、これらの油は原料の種子特有の風味や脂容性ビタミンのほとんどと、その他の抗酸化物質、微量栄養素などを残しています。低温で圧搾搾りすると、取れる油の量はへりますが酸化や風味の低下を最小限に止めることができます。

(4)殻つき麻の実
固い殻があるので、軽く炒り煎じてお茶に。また炒り塩、ごまと共にすり鉢で摺り、ごま塩などにも使用できます。使用上の注意いずれも、酸敗が早く激しいので、開封、開栓したものは冷蔵庫での保管が望ましく、油では、臭いが変わってきたら使用を中止したほうがよいでしょう。

・ 麻の実 薬膳料理のレシピ集はこちら

まとめ
麻の効用や調理法に取り組んでみましたが、まだまだ国内での栽培および生産は少ないのが現状です。栽培は「大麻栽培者免許」が必要です。「日本中どこでも、種を蒔いておけば、勝手に生えてきます。病虫害にも強いから、人手がほとんどかかりません。農業で大変なのは肥料のコストが高いことですが、麻には肥料が要りません」。静岡県の中山さんは今、麻に真剣に取り組んでいます。医療に「大麻」をと運動を展開している人たちもいます。麻薬としての麻は葉と花の部分で、麻の実を使う「麻の実・クッキング」で気分がハイになることはありません。たべて美味しく、健康に役立つ「麻の実」に早速取り組んでください。深刻な環境汚染がすすみ、地球が悲鳴をあげている今、広範囲な用途を持つエコロジーな自然の植物“麻”を見直し、調理での大きな可能性を広く認識して、実践していただきたいと念願しています。

加藤郁子プロフィール
1943年生まれ、東京都出身、1963年恵泉女学園短期大学英文科卒業。山形放送(株)、ニッポン放送(株)を経て、1968年からフリーアナウンサー。
資格…森下フードコンサルタント、森下自然医食料理講師、桜沢流新普茶料理師範、日中薬膳交流協会講師。自然食「カトウ」料理教室主宰(1980年〜)、原宿家庭薬膳クラブ主宰、読売文化センター、公民館講師、リマクッキングスクールゲスト講師。月刊誌「自然食ニュース」、『お元気ですか』、『はいから』連載執筆中。
著書…『シュガーレスクッキング』(共著)
・加藤料理教室【http://www.sansho.org】047-472-1014


漢方薬と民間薬

漢方薬では、麻の実のことを麻子(まし)、麻子仁(ましにん)、大麻子(タイマシ)、火麻子(カマニン)などと呼んでいます。治療薬としての麻の実に関する最古の記録は、紀元前2300年まで遡ることができます。この頃、中国を治めていた皇帝・神皇氏が百草をなめて選別 した365種の薬草の中に「麻」の名があります。上薬、中薬、下薬の中で上薬として位置付けられています。
神農氏の教えが後世に伝承されて著された「神農本草経」のなかでは、漢方薬としての麻の効用が次のように説かれています。「麻仁(まじん)」(麻の実)は、「体や内蔵を修復し、体力の根元となる活動力を増す。久しく服用すると体が肥え健やかになり、不老神仙となる」といい、一種の仙薬に類する効用があるものとしていました。今でも中国には、麻の実を常食としている地域があり、その村に百歳以上の元気な方がたくさんいるそうです(フジテレビニュースで紹介されました)。
生薬としては、血糖降下作用、潤腸通便作用があります。大量の脂肪油やタンパク質、ビタミンEを含むので、胃腸の機能低下から起こる気虚(キキョ)の便秘に特に有効です。


麻子仁[ましにん]
神農本草経の上品に収載

起源 ……… クワ科のアサの果実
薬理作用 … 血糖惇下作用、潤腸通便作用
用途 ……… 緩下薬として,老人,子供,妊産婦など体力の消耗した人。或いは病後の大便秘結して下してはならない人に用いる。 関連処方:英甘草湯、潤腸湯、麻子仁

・長寿の秘密:麻の実が動脈硬化・老化防止に効果」(フジテレビ)

 

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