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麻の実食材を使ったレシピ集 麻の実 日本の伝統的料理法 麻の実 薬膳料理のレシピ集
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麻の実 日本の伝統的料理法
日本には古くから麻の実を使った伝統的料理があります。
日本各地にある料理法のいくつかを紹介します。
ほとんどが殻のついた麻の種をそのまま使っています。

出典 :日本の食生活全集(全51巻)
出版社 :(財)農山漁村文化協会
出版年月日 :1986年〜


油味噌 木曽/長野県
 にんじん、ごぼう、ささげを細かく切って水を入れ、煮立ったところに油を落とし、やわらかになったら味噌を入れ、麻実を入れて煮る。
 油味噌は年中食べるので、四季それぞれの野菜、山菜、そしてきのこやかぶ、大根の干したものを入れ、にしんのある時期はにしんを入れてつくると、ひえ粉飯をもういっぱい食べたくなるくらいである。

麻実の野菜煮 木曽/長野県
 麻実は香ばしく味もよい。だしがないとき、炒ってよくもんだものをすり鉢ですって入れると、まろやかな味が加わる。ことに、にんじん、大根、じゃがいも、凍み大根、干した野菜などを一緒に煮て、たまりで味をつけ、煮あがったところに麻実のすったものを入れると、油けも出て、野菜に味がしみておいしい。

麻の実味噌(おのみみそ) 県西山間(梼原)/高知県
繊維をとるための麻は、夏に刈りとるが、食用にする2、3本は秋まで残しておく。
 秋になったら刈りとって束ねて干し、棒などでたたいて実をえり分け、桶か缶などに入れて保存する。
 麻の実は少し炒ると皮がむけるので、息をぷっと吹きかけて皮を除き、生味噌に入れて食べる。しょうがを細かくきざんで混ぜたり、からしを混ぜて食べることもある。
 麻の実味噌は昼食のおかずにすることが多く、山仕事に行くときによく食べる。
 老人がよく食べ、子供はあまり食べない。

しちみがらし 県西山間(梼原)/高知県
 からしを収穫すると、軒下などにつるして、よく乾燥させる。
 このからしを竹串にさし、いろりの火のまわりに立て並べてあぶり、よく乾燥させたみかんの皮、麻の実などと一緒に石臼や薬研で粉末にし、香辛料として使う。串ざしのからしをいろりの火であぶり、味噌をつけて、そのままおかずにすることもある。からしの生の葉は、辛く煮つけておかずにする。

きらず 道後平野(重信)/愛媛県
 豆腐かすのおからは、きらずとか、うのはなという。なべに油をひき、きらずを弱火でゆっくりいためながら、砂糖、塩、すりしょうがと酢を少々入れて炒める。にんじん、ごぼう、しいたけ、れんこんなどをばらずしの具のように細かく切って甘からく味つけする。色麩は湯でもどし、砂糖と塩で味つけして、幅三分くらいの菱形に切る。炒めたきらずに具を混ぜこむ。
 色麩の赤や緑のいろどりが美しいので、祝いごとに必ずつくる。きらずが「縁切らず」を意味することから、縁起ものとして婚礼、建前には必ずつくることになっている。慶事につくるきらずには、卵の薄焼きや酢魚などの5品目と麻の実も加える。そのさいには、裏ごしした細かいきらずを使う。

いずみや 道後平野(重信)/愛媛県
 きらずを使った料理で、すしの一種である。新鮮な小いわしや小あじを背開きにし、目玉とひれを除き、頭つきで塩をして30分おき、砂糖と酢をあわせた中につけこむ。きらずを空炒りにし、魚のつけ汁で味つけし、きらずの中にみじん切りのしょうがと麻の実を入れる。これをよく冷まし、魚の中に詰めて、上からふとんを置き、その上に和紙を置いて米を重石にする。
 祭り、婚礼などのお客をするときにつくる。

丸ずし  宇和島/愛媛県
 米に恵まれなかったこの地域の人たちが、すし飯をにぎるかわりに、すし同様に味つけしたおから(豆腐のしぼりかす。うの花)をにぎり、酢でしめた魚で包んでつくったもの。横から見た姿が丸いのでその名がついたという。宇和海でとれるぜんごあじ、あまだい、さより、小だい、ほおたれ(かたくちいわし)など、小魚の生きのよさとしゅんの味を食べる。
 小魚は背、腹開きのいずれでもよいが、骨を抜いて水洗いし、薄塩をして10分間ぐらいおく。それを水洗いしてから水気をふきとり、5,6分、酢につける。しぼりたてのおからに酢、砂糖、塩できつめの味つけをし、細ねぎの小口切り、しょうがのみじん切り、炒り麻の実を加えて混ぜる。おからに酢じめの魚をのせて俵の形ににぎり、豊かに鉢盛にする。
 おからをきらずともいう。料理をするとき包丁で切る必要がないからである。結婚式の祝膳には花嫁の母親の手づくりで加えられる。縁を切らず、、、の縁起料理である。
 あずまもおからを主原料とする。酢、砂糖で味つけしたおからに、甘からく煮つけたごぼう、にんじん、しいたけのせん切りを混ぜ合わせる。やわらかく炊いた米飯とこのおからを混ぜて俵形ににぎる。おからの味つけは強めにしておかなければならない。米俵を積み上げたさまに似せて盛る。 

ひろす 石槌山系(久万山)/愛媛県
法事のときなどにつくる。かがすですった豆腐におからを少し混ぜ、干ししいたけ、にんじん、ごぼうの細切りと麻の実を入れて丸め、油で揚げる。すった豆腐におからをくわえてあげるとからっと揚がる。揚げたてにしょうゆを添えて食べたり、煮しめにしたりする。手間がかかるのでお手伝いの多いときにする。

しろはたずし  因幡海岸/鳥取県
 しろはたは4月に一番多くとれる。加露大明神の春祭りにはしろはたずしを必ずつくる。鮮度のよい地どれのしろはたを利用し、どこの家庭もたくさんつくりこんでお客をもてなしたり、手みやげにしたりする。
 しろはた100ぴきを背割りしてはらわたを出し、まっ白くなるくらいの塩をしてゆり輪に漬け、しっかり重石をして一昼夜おく。塩漬けのしろはたをゆり輪から出して、流し水で半日塩出しをし、ざるに上げて水を切る。酢の素(濃い酢)小びん1本分(一合くらい)を同量の湯冷ましでのばし、砂糖2斤を入れて混ぜ、これにしろはたをわたして(浸して)一昼夜以上おく。
 豆腐一箱分(10丁くらい)のおからを空炒りし、酢の素を3倍くらいに水でのばしたもの一合と砂糖50匁くらいをふりかけながら味をつけ、空炒りした麻の実を混ぜる。これを酢でしめたしろはたに詰め、もとの魚の姿に形をととのえる。ゆり輪に、味つけしたおからの残りを敷き、その上に魚をひと並べし、またおからをふり、魚の向きを下段と交互にして平らになるように並べる。一番上におからをふり、押ぶたをして軽く重石をする。
 翌日から食べれるようになるが、食べごろは2,3日たったころである。冬の寒いころにつくると1ヶ月はもつ。一口大に切って姿のまま皿鉢などに盛りつけ、みかんの皮などをきざんで小鉢に入れて添えるとよい。

あずま  瀬戸内沿岸・島/広島県
 祭りがくると、あずまをもろぶたにぎっしり詰めてつくり、祭り客の酒のさかなやごはんのおかずとして大勢の人にふるまう。竹原から呉、大竹に至る沿岸地域では、「これを食べなきゃ祭りの気分がせん」という人も多く、祭りや正月にはどこの家でもよくつくる。
 このしろ、たなご、鯛、いわしなどの小魚ならどれでもよい。背割りにして中骨をとり、全体に塩をふって半日置き、その後、魚の表面をさっと洗って、二杯酢に二日くらい浸しておく。
 魚をとり出してざるに並べる。おからに魚をつけていた酢を混ぜて味をつけ、麻の実を香ばしく炒って混ぜておく。これを魚の腹に適量詰めて、元の姿のように形づくる。もろぶたにきっちり詰めて並べておき、形が落ちついたころ、適当に切ってさらに盛りつける。

さばのおまんずし  石見海岸(浜田)/島根県
 さばの頭をとり、背割りし、中骨と内臓をとる。ちょっとからめの塩水で洗い、半日、水気を切る。もう一度塩水で洗うと脂がとれる。水切りを一時間行い、酢で洗う。もう一度新しい酢の中に通してから、身をくずさないように手と手の間にはさんで押さえ、水気をしぼる。
 おからをなべに入れ、砂糖、塩、酢で甘いくらいの味つけにして煎り、麻の実、しょうがのみじん切りを入れて混ぜる。まないたにさばの身を上にして置き、煎って熱いままのおからを押さえつけるようにしながらのせ、その上にまたさばを皮を上にしてのせて、おからをはさむ。これでできあがりで、重石はかけない。切り分けて食べる。
 おからの熱いものを入れるので、温かいおまんずしが食べられるといって喜ばれている。さばは酢に何回もつけているので生ぐさみはなく、誰にでも向く。秋祭りのごちそうの一つである。
 いわしがとれる時期には、大きめのいわしを使って同様にして作り、行事食にする。

飛竜頭  奥出雲/島根県
 飛竜頭(ひりょうず)は、盆のおかず、仏事、法事の盛り合わせに使う。豆腐の水気をふきんでよく切り、すり鉢に入れてする。別にきざきこんぶを水でもどしてそうきに上げておく。もどしたしいたけ、にんじん、ごぼうはせん切りにして下煮し、麻の実は炒る。吸った豆腐の中に味付けして煮た材料を入れ、つなぎに小麦粉を少々加え、砂糖、塩で味をつけて混ぜ合わせる。小判形に形をととのえ、油で揚げる。

おいなりさん  大阪府
 小型の四角いすし揚げを油抜きして甘からく煮ふくめ、三角に切って開いておく。酢飯の中にきざんだにんじん、ごぼうを薄味で煮たもの、ほうらく(ほうろく)で炒った麻の実を混ぜて、お揚げに軽くつめる。すし揚げの表側と裏返しと2種類作る家が多いが、裏のぶつぶつが気持ち悪いので、5百蔵家は表側のものだけをつくる。

あじのこはだ  出雲平野/島根県
 小あじは背割りにして中骨を除き、塩少々をふりかけ、しばらくおいて酢に漬ける。別にきらず(おから)を炒って、酢、砂糖、塩と炒った麻の実をよく混ぜて、酢でしめた小あじに詰めこむ。しばらくおいて味をなじませる。
 また、小あじを3枚におろしたものを、丸めたきらずに巻くこともある。
 お祭りその他の行事のときによくつくる。

唐ずし(とうずし) 周防南部/山口県
 このしろを3枚におろし、薄塩をしてしばらくおいて酢洗いし、酢、砂糖、塩を加えたおいしい酢に漬けておく。しょうがはみじん切りに、麻実は炒っておく。
 白米飯に、魚を漬けておいた酢と、しょうがのみじん切り、麻実も入れてよく混ぜ、酢につけたこのしろで包む。
 すし飯のかわりに、おからを使うこともある。この場合は、おからを煎って、魚を漬けた酢で味つけし、しょうがと麻実を入れて魚で包む。どちらも唐ずしという。

がんもどき 五島/長崎県
 五十回忌、三十回忌など、大きい法事の精進料理に必ずつけ合わせて、おみやげにする。
 豆腐は、ふきんでしぼって水気をとり、すり鉢でする。麻実は炒って粗くつぶしておく。にんじんやごぼうは短いせん切りにして、材料全部を混ぜ合わせ、平たく丸めてかたしの油で揚げる。

<番外編>
蒸し鯛
 神祭、婚礼に、なくてはならぬ高級料理の一つである。目の下一尺はある鯛がよい。背開きにして薄塩で一晩おく。別にきめの細かいおたま(うのはな)ににんじんとしいたけの糸切り、麻実、きくらげを混ぜ、卵を割りこむ。これに砂糖と醤油で甘口の味をつけて、鯛の背から詰める。頭を左、腹を手前にして姿を整え、葉らんにのせて蒸す。このとき、からいもを一つせいろに入れて、はしが通るまでゆるい火で蒸す。そうするとおたまにも芯まで火が通っているし、鯛の蒸し加減もころあいになっている。古老の指導でやる料理であるが、蒸しすぎると皮の一部がめくれる。そうしたとき「よしよし、これでかくそう」と、ゆで卵の黄身をほぐして散らす。「蒸しあぐる」といって、めでたい時の料理である。神祭には豆腐を家でつくるから、おたまもたくさんできる。

たぬきずし
 たぬきずしは、大阪の普通のいなりずしの三倍くらいの大きさのもので、三角の揚げの中に具入りのすし飯が詰まっている。具は、細かく切った揚げ、ごんぼ(ごぼう)、麻実である。(大阪、晴れ食・行事食)

きつねずし
 白米一升にもち米二合くらい入れ、やや固めに炊く。飯は平鉢にとり、酢と砂糖とわずかな塩で味をととのえる。酢はふつう酢酸を薄めて使うが、すし飯の場合は飯がやわらかくならないように濃いものを使う。
 きつねずしは、砂糖と醤油で味をつけてよく煮含めた油揚げを、汁をしぼって二つに切る。中に入れる生地(すし飯)には具のかわりに炒った麻実を少々入れると香ばしく、きつねずしの味をいっそう引き立たせる。さらにいろどりを添えるため、赤藻(赤色をした海草の一種)をほんの少しのせる。(鳥取、伯耆山間の食)

ほかにも古くからある料理法があれば、お知らせください。
E-mail: nat@asa.email.ne.jp

 

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